2022-01-01から1年間の記事一覧
鞍田さん、東京にいらしたのいつでしたっけ。 2014年です。もう8年ですから、大学を2回卒業した感じ(笑)。 関西圏と関東圏、雰囲気もちがうし人間関係もちがうと思うのですけれど、どうですか、そのあたりは? もともと関西は町の規模が小さいので、一人の…
山本さんは環境文学の研究者ですね。「自然活動」というか(笑)、山に歩きにいくとか海に泳ぎにいくとか、そんなこともお好きなんですか。 好きですね。いまは特にシュノーケリングをやってます。海亀が、いろんなところのアバターに使っているくらい好きで…
同僚の倉石さんは元横浜美術館の学芸員で、2007年に明治理工に美術史担当として来ていただきました。北海道の「写真の町東川賞」の審査員を務めていらっしゃいます。今年もそろそろ東川にいらっしゃるんでしたっけ? 東川、明日です。 東川町って、ぼくはイ…
清岡さんといえばカリスマ・フランス語教師、わが同僚です。外国語の勉強って、どうするのがいいんでしょう。 すぐできるのは音読かな。毎日10分が理想だけど、10分はけっこう長いので5分でも。もちろんシャドーイングとかオーヴァーラッピングを入れてもい…
【7月23日、青山学院大学にて開催されたASLE-Japan文学・環境学会例会では小林エリカさんによる特別講演が行われました。冒頭の管啓次郎による講演者紹介をここに採録します。】 小林エリカさんをご紹介します。といっても、改めてご紹介する必要すらないこ…
韓石泉『韓石泉回想録 医師のみた台湾近現代史』(韓良俊編、杉本公子・洪郁如訳、あるむ、2017) 台湾の町を歩くと、1945年以前の世界を身近に感じさせるものに出会うことがしばしばある。この台風の通り道で毅然と立ち続けている木造の民家や駅舎、壮麗な…
杉浦日向子『百物語』(新潮文庫、1995) <良い話>よりも<変な話>に惹かれる。うまいオチがついているわけでもなければ、読み終わってスッキリするということもないような、なんだかよくわからない<変な話>。そんな<変な話>を求めて、このところ私が…
荒川洋治編『昭和の名短編』(中公文庫、2021) 心は消えてゆく。死ねば忘れられる。文字は残る。Scripta manentというラテン語フレーズの真実を思う。心を文字にしようとするのが小説。名作として残っている作品には、作者と読者がある時代に共有した大きな…
この春までうちの大学院生だった中野行準くんです。藤枝静男についてのおもしろい論文で修士号をとり、いまは出版社でバイトをしながら本を読んでいます。このバイトもけっこう長くなったよね。 1年半ぐらいですかね。 どんな仕事をするんですか。 まあ、雑…
海野文彦『復帰前へようこそ おきなわ懐かし写真館』(ゆうな社、2012) 食い入るように見入った。懐かしい沖縄の写真、といってもこっちはその時代をまるで知らないわけだが写された場所や事物を実際に経験してきた人は何人か知っているし、ぼく自身がヤマト…
与勝海星(上原武久)『沖縄戦史 対馬丸沈没』(沖縄文化社、2018) 対馬丸事件を思い出そう。1944年、戦局の悪化する沖縄から鹿児島へと学童生徒が疎開する。疎開船は8月22日夜、米軍の魚雷により撃沈され、千数百名が亡くなった。うち子供たちは800名近く…
桑木野幸司『ルネサンス 情報革命の時代』(ちくま新書、2022) ルネサンスときいてまず思い浮かべることはなんだろうか。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ダンテやペトラルカなどの大芸術家たちの成し遂げた芸術的達成か、あるいは彼らの輝かし…
林真さんです。明治大学総合芸術系で一昨年修士号をとってから、作家兼独立研究者として活動しています。毎日どんなふうに暮らしていますか。 お昼ごはんをだいたい自分で作るようにしているんですよ。それから買い物に出て、散歩して、明日の昼と夜の何らか…
カシア・ボディ『ゼラニウムの文化誌』(富原まさ江訳、原書房、2022) ゼラニウムという花の名は、妙に記憶に残る響きをもっていないだろうか。私は長い間、ゼラニウムという呼び名が実際にどの花をさすのかさえ知らなかった。そもそも、広くゼラニウムとし…
新しいシリーズをはじめることにしました。いろいろな人へのごく短いインタビューです。5分間の立ち話のつもりで、さらりと。お楽しみいただければさいわいです。 (聞き手=管啓次郎) ***** きょうお話をうかがうのは目黒区鷹番にあるSunny Boy Book…
中川成美、西成彦編著 アンドレ・ヘイグ、金東僖、杉浦清文、劉怡臻、呉佩珍、栗山雄佑、謝惠貞、三須祐介著『旅する日本語——方法としての外地巡礼』(松籟社、2022) ひとが自分のなかにかたちづくる自然への感性は、うまれ育った場所・環境とわかちがたい…
山口勲『ボタ山のあるぼくの町——山口勲写真集』(海鳥社、2006) 幼なじみの女の子にカメラを借りて以来、ずうっと炭鉱を撮ってきたってのは、今思えば自分の生き様を撮ってきてるんですね。仕事してる人、風呂に入っとる人、路地で赤ちゃんあやしてる人、そ…
白戸満喜子『書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控』(文学通信、2020) エッセイストで書誌学者の林望は「書誌学は本の考古学である」(1)と書いたが、本書を読んでこの言葉ほど適切に書誌学を言い表すことはできないな、と思った。考古学者が発掘品の物質…
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『生き方の原則—魂は売らない』(山口晃訳、文遊社、2007) アメリカ合衆国には講演の文化があり、それがいまも生き続けているんだなと思ったことが何度かある。大学で開催される専門家の一般むけ講演に、かなりの数の聴衆が…
アイウトン・クレナッキ『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア——人新世という大惨事の中で』(国安真奈訳、中央公論新社、2022) 私たちはなぜこのような悲惨な世界で暮らすことになっているのだろう? 本書はあけすけにそう問いかけてくる。ある読…
アニー・ディラード『本を書く』(柳沢由実子訳、田畑書店、2022) 棺桶一つのスペースで、人は本が読める。草刈り機やシャベルをしまうスペースがあれば、人は物が書ける。(12) 読者が、書くことに関するなんらかの実践的方法論を求めてこの本を手に取る…
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明治大学大学院理工学研究科<総合芸術系>管啓次郎研究室による書評ブログ。同研究室所属の学生と修了生を執筆者として、さまざまなジャンルにわたる本を批評・紹介します。月2回を目標に更新。 タイトルは管啓次郎『コヨーテ読書——翻訳・放浪・批評』(青…