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明治大学大学院<総合芸術系> 管啓次郎研究室の書評ブログ

立ち話2 林真さん(独立研究者)

 

林真さんです。明治大学総合芸術系で一昨年修士号をとってから、作家兼独立研究者として活動しています。毎日どんなふうに暮らしていますか。

 

お昼ごはんをだいたい自分で作るようにしているんですよ。それから買い物に出て、散歩して、明日の昼と夜の何らかを買って帰って、あとは家でパソコンに向かっています。ゲーム関係のシナリオ執筆の仕事をしているので、毎月、月初にもらった仕事が月末までにできていればいい。そのあたりは自分の塩梅で仕事ができています。

 

1日何時間くらい仕事をするんですか。

 

特に決めていないのですが、かなり長いですね。寝る前は余暇にしていますが、それ以外はずっと仕事と息抜きです。

 

何が息抜きになるんですか。

 

そうですね。まあ、YouTubeを見たり、散歩をしたり。

 

YouTubeでは何を見ますか。

 

雑談している人の配信とか。最近おもしろかったのは、たまたまお勧めに上がってきた動画で、カリフォルニアのあまり人もいない駅のライヴカメラの配信です。何十人か何百人かが、ひたすらそれを見ているのですが、それを10分くらい眺めていたことがありましたね。

 

アップしているのはアメリカ人?

 

わからないです。なぜそこにカメラを置けているのかもわからない。上のほうから線路や踏切のようすを映しているんですが。

 

言語は何語ですか。

 

英語です。

 

へえ。なんでまたそれを? 何を求めて?

 

いやあ、夜中なので明るい光がいいなと思って。

 

YouTubeを見る人っていうのは、テレビはまったく見ないわけ?

 

ぼくはほぼ見ないですね。NHKの夜7時のニュースだけ定時的に見て、毎日こういうことをNHKでは言っているんだなということだけ、確認するようにしています。

 

リアルタイムで、テレビとして見るの?

 

そうです。

 

じゃあ、テレビは持ってるんだ。

 

持っています。

 

情報環境がこれだけ肥大していると、そこから何を取り入れるのかという選択がいっそう重要になってきますが、ぼくはわりと本気でYouTubeこそ21世紀の最大の発明品だと思っているんですよ。林くんにとってYouTubeの魅力って何ですか。

 

そうですね。配信というものが何なのかに最近興味があって——ゲーム実況であったり雑談だったりですが——新たにおもしろい情報を提供しないにもかかわらず、とにかく人がしゃべっているという状態が、聞いていておもしろかったりおもしろくなかったりするわけです。それはいったい何なのか。それがYouTubeの可能性とつながってくるかどうかは、わかりません。やっぱり、知らない人がしゃべっているのを聴けるということが大きいのかもしれないですね。

 

盗み聞きのよろこび?

 

いや、聞かれていることを相手は知っているので。でも近い部分はあるのかもしれません。

 

【追記。ここで言及されるカリフォルニアの駅からの配信は“San Juan Capistrano, California, USA | Virtual Railfan LIVE.” YouTube, by Virtual Railfan, https://www.youtube.com/watch?v=y2U2Vqo6YbE.