2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧
白戸満喜子『書誌学入門ノベル! 書医あづさの手控』(文学通信、2020) エッセイストで書誌学者の林望は「書誌学は本の考古学である」(1)と書いたが、本書を読んでこの言葉ほど適切に書誌学を言い表すことはできないな、と思った。考古学者が発掘品の物質…
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー『生き方の原則—魂は売らない』(山口晃訳、文遊社、2007) アメリカ合衆国には講演の文化があり、それがいまも生き続けているんだなと思ったことが何度かある。大学で開催される専門家の一般むけ講演に、かなりの数の聴衆が…
アイウトン・クレナッキ『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア——人新世という大惨事の中で』(国安真奈訳、中央公論新社、2022) 私たちはなぜこのような悲惨な世界で暮らすことになっているのだろう? 本書はあけすけにそう問いかけてくる。ある読…
アニー・ディラード『本を書く』(柳沢由実子訳、田畑書店、2022) 棺桶一つのスペースで、人は本が読める。草刈り機やシャベルをしまうスペースがあれば、人は物が書ける。(12) 読者が、書くことに関するなんらかの実践的方法論を求めてこの本を手に取る…